備前焼

備前焼の取材

先日、備前焼の取材に行きました。取材先は、江戸時代から続く窯元。陶芸家というと、気難しいおじさんが、作った陶器を「違う!」と次々に割っていくようなイメージだったのですが、かなり気さくで穏やかで謙虚で、めちゃめちゃいい人でした。

窯元の歴史も備前焼の歴史も古いので、聞き応えのある話がどんどこ出てきて、どれもこれも原稿に入れたい!という内容ばかり。作陶の風景や昔ながらの登り窯も見学させてもらい、本当に本当に貴重な経験ができました。

取材が始まる前から、最後は作品を買って帰ろう!と心に決めていて、取材後、さんざん迷って買ったのが写真の器。本来は注ぐための器ですが、コーヒーカップとして使っています。表面は、灰が溶けて釉化した「胡麻」という窯変が表れています。美しい。胡麻は、備前焼の中でも経年変化が少ないそう。それでも、10年、20年と大事に使い続ければ、もっと美しくなるんじゃないかと期待しています。

ちなみに、備前焼でお酒を飲むとおいしいと言われます。これは本当です。栓を開けて2、3日経ったワインを注いでゆっくり飲んでいると、だんだん風味が戻っていく感じがしました。お酒を飲む回数が増えました。